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労務問題でお悩みの経営者の方へ
警察等に調べられるときの注意点は?
はじめに
労災事故が発生した場合、事業者は、労働安全衛生法(以下、「安衛法」といいます)違反を理由に刑事処分を受けることがあります。
安衛法は、労働基準法と同様の、労働者が安心して働くための法律です。
安衛法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的としています。
そして、労働災害の防止のための手段として、危害防止基準の確立や自主的活動の促進を掲げています。
労災事故での刑事処分
安衛法の違反には罰則があります。
労災事故に強く関わるものに限っても、例えば次のようなものがあります。
①6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されうるもの(安衛法119条)
概括すると、個別具体的な安全措置に不備がある場合です。
具体的には、
- 管理が必要な作業に作業主任者を選任していない(安衛法14条違反)
- 危険や健康障害の防止に必要な措置を講じていない(安衛法20条~25条違反)などが挙げられます。
②50万円以下の罰金が科されうる類型(安衛法120条)
概括すると、安全を実現するための体制づくりに不備がある場合です。
具体的には、
- 厚労省令に従った総括安全衛生管理者などを置いていない(安衛法10条~13条、15条違反)
- 政令で定められる種類の機械について定期自主検査の実施及び検査結果の記録を行っていない(安衛法45条1項違反)
- 雇い入れた者に対して安全衛生教育を行っていない(安衛法59条違反)
などが挙げられます。
これらの違反が疑われた場合、労働基準監督署の調査のほか、刑事処分に向けた取調べが行われることもあります。
では、どのように対応すればいいでしょうか?
法令に違反しないことが最善です。
そのため、職場の安全衛生対策がきちんとなされているか確認し、至らない点は改善しておきましょう。
万が一に安衛法等の法令に違反したものとして調査や取調べが行われる場合には、適切な対応をとることが必要になります。
対応を誤ると、会社の信用を低下させ、大きな損害につながりかねません。
有利な事情が調査で見落とされていないか、考慮されている事情に対する法的評価は適切かなどの点について、専門的な見地から検討することが重要になります。弁護士にご相談ください。
また、刑事処分に対する取調べにおいては、捜査が適正に行われているかにも留意が必要です。
取調べの前に弁護士に相談し、具体的な状況を踏まえて取調べに対する助言を得ておくことをお勧めします。
労務問題でお悩みの経営者の方へ
弁護士が解決します。