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労務問題でお悩みの経営者の方へ
事故防止のためにできることは?
労災事故を防止するためにできること
労働災害を防ぐ基本は、労働基準法や労働安全衛生法といった労働安全衛生関係の法令を守り、これら法令に従った対策をとることです。
具体的には、以下のようなものがあげられます。
(1)危険防止の措置
プレス機や切断機など危険性を有する機械設備を用いている場合や、高温や騒音等の悪環境が避けられない場合など、事業遂行に危険が伴う場合があります。
労働安全衛生法第4章では、労働者の危険又は健康障害を防止するための措置をとるように定められています。
例えば、危険な機械への安全装置の付加などが、これにあたります。
(2)安全衛生管理体制の整備
個別の対処だけでなく、安全を確保するための体制づくりも求められています。
例えば、労働安全衛生法28条の2では、業務に起因する危険性又は有害性を調査し、調査結果に基づいた対策措置をとる(リスクアセスメントを実施する)ように努力義務を課しています。
具体的なリスクアセスメントの内容については後述します。
(3)健康管理措置の実施
労働者の心身の健康を維持することで、事故発生の恐れを減らすような制度作りがされています。
例えば、労働安全衛生法第66条の8で一定の場合の医師による面接指導の実施が義務付けられていたり、厚生労働省のガイドラインで心の健康対策の取り組み指針が示されていたりします。
(4)安全衛生教育の実施
時間短縮目的や慢心からくる安全確認省略、安全な手順についての無知などから、つい危険な行動をとってしまって事故に至る可能性があります。
このような事態を防ぐために、労働安全衛生規則35条等で、従業員に対する安全衛生教育を行うように定められています
リスクアセスメントの流れの一例
- 経営側だけでなく、作業指揮者や労働者代表などを参画させ、現場目線での評価活動を行える体制を構築する。
- 作業手順書、取扱説明書、従業員が体験した危険事例や従業員目線での危険予測の聞き取り等で、業務遂行上の危険性の情報を収集する。
- 調査対象を細かく区切り、故障やミスを前提に観察して危険性や有害性を特定する。
- 生じる結果の重篤性や発生頻度を踏まえて、危険性・有害性の程度を見積もる。
- 危険性・有害性に応じて、対処の優先順位を判断する。
- 優先順位の高いものから、必要な安全対策を施していく。
弁護士に相談を
労働災害が発生して責任を負う場合、生じた損害の賠償義務を負うだけでなく、社会的な評価の低下によって損害を被ることにもなります。
上述のような法令上の取組みは最低限のものであり、これさえも不十分であれば、法令上の注意義務に違反したと裁判所から認定されてしまう可能性があります。
万が一の場合に法的責任を問われることがないか、弁護士に相談することをお勧めします。
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弁護士が解決します。